研ぎ陣とは藤阿彌神古流宗家 19 代目 藤阿彌功将先生のもとで修行を積み、「神古流手研ぎ」の伝統技を習得したと認められた研ぎ師のみが所属できる加盟店です。
「神古流手研ぎ」とあるように研ぎ陣の研ぎ師は手で研ぐことを大切にしています。
現代ではグラインダーなどの機械を使った刃物研ぎ師の方がたくさんいます。確かに機械を使うと楽に早く刃をつけることができます。
ですが、砥石を当ててみるとムラや必要以上に削りすぎていたりということが多々あります。
また酷い場合ですと必要のない場所を削っていたり、切れ味に影響するほどひどく傷つけている場合もあります。
師曰く「研ぎ師は刃付け師であるべからず、家庭にあり、家族の口に入る物を作る道具だからこそ、魂の入った刃物を作るべし。それができてこそ研ぎ師だ。お客様の魂を研ぎなさい」と御指導していただきました。
是非、修行をつんだ職人が作り出す「最高級の切れ味」を手に取ってみませんか。
この度、念願の研ぎ陣 青梅 「研ぎ処 いずも」を自分が育ってきたこの青梅の地にオープンすることができました。
藤阿彌功将先生のもとに弟子入りするまでは包丁を研いだことがありませんでしたが、厳しい指導のおかげで今では刃物全般を研ぐことが出来るようになりました。
それまでは包丁のことを全く知らずに弟子入りしましたが、変な知識がなかったおかげで素直に学ぶことが出来、今ではそれでよかったと思います。
研ぎ師になると友人知人に話すと
・なぜ、この時代に研ぎ師?
・なぜ、安定した職を辞めてまで研ぎ師になるのか?
・切れなくなったら買い替えればよいから研ぎ師はいらないのでは?
と言われることが多々あり、修行の間は「本当にこれからやっていけるのか」と不安との戦いでしたが刃物の基礎から勉強して、研ぎの奥深さと向き合っていくうちに「自分の天職はこれだ!」と胸を張って言えるようになりました。
というのも私が研いだ包丁を使った方から
・よく切れるようになった!
・力なく切れるから料理が疲れるものから楽しいものに変わった!
・新品の包丁より切れる!
と言っていただいたときに、社会に出て初めて自分が人の役に立っていると実感ができたからです。
私自身、包丁が研げるようになるまで知りませんでしたが、「本来、包丁とは研いで使えば一生もの」です。
・100円ショップで買って切れなくなったら捨てる
・簡易研ぎ機で研いでも切れなくなったら捨てる
かつては私もこういう包丁の使い方をしていましたが、今では「非常にもったいない使い方をしていた」と思います。
「良い包丁を1本買って、研いで大切に使う」
私は日本人が刃物と一緒に守ってきた文化ともったいないという物を大切にする心をもう一度、地域に取り戻す力になりたい。
手研ぎの技術を教えていただいたことに感謝して、研ぎ師として精進していきたいと思います。
店名の由来になったハリスホークの「いずも君」です。
一緒に営業に出かけるときもあります。
運がよければ会えるかもしれません。